宗派によって葬儀におけるお経の内容は異なる

いざ葬儀という段になって、時折遺族が慌てるのがうちの宗派は何だろう、ということです。以前の時代では考えにくいことですが、無宗教の世帯が増え、核家族化の進行で毎朝仏壇に線香を上げるという習慣すら希薄になっている現代では、自分の家系の宗派を知らないという世帯は珍しくありません。葬儀に際してどうしても宗派が分からない場合は、喪主が居住している地域か、故人が住んでいた地域で一般的な宗派の僧侶を葬儀社が手配して葬儀に来ていただくことが多いです。

仏教界には八万四千の法門があると言われますが、八万四千の宗派やお経の種類があるという意味ではなく、数多くの教えがあることを意味しています。宗派の数も大変多いのですが、それぞれご本尊が異なったり、葬儀の進め方も異なります。とりわけ、遺族が知っておかなければならないのは、宗派によってお経に違いがあるということです。

お経とは釈迦が口伝で伝えたさまざまな教えをまとめた教典です。釈迦が私たち衆生に伝えようとしたメッセージと思えばよいでしょう。しかし、実際のお経の内容は宗派によって異なります。誰もが一度は聞いたことがあるようなお経も、読経される宗派もあればされない宗派もあります。

また同じ宗派であっても、数あるお経の中からどれを唱えるかは異なります。遺族にとってお経の内容は気になることもありますから、どのようなお経をあげていただけるのかを僧侶にお尋ねすることは決して失礼なことではありません。