葬儀の読経にはさまざまな様式がある

一般的な葬儀での読経は一人かせいぜい二、三人の僧侶が唱えますが、大規模な葬儀になると多くの僧侶が一斉に声を合わせて読経します。これを諷経と呼びます。葬儀では、ひたすら声だけで唱える宗派もあれば、一般にもなじみがある木魚や太鼓といった打ち物を併用することもあります。普通の葬儀の場合は、お経を唱える上位の僧侶と、お経に合わせて打ち物を鳴らす下位の僧侶によって読経が進められます。

音楽でいう音階もさまざまで、最初から最後まで変わらないリズムで唱えるのが雨滴曲といわれるものです。逆に曲節という一種の旋律のように節回しをつけた唱え方もあります。あまりにもお経の内容が長い場合は、経題と途中と巻末だけを選択して読み上げる略読という読み方もありますので、時として読経の時間が短いように感じることもあります。

葬儀会場に参集した会葬者が僧侶と一緒にお経を唱えるケースもあります。この場合は会葬者一人ひとりの手元にお経を書き記したものが置いてあり、僧侶の読経に合わせて全員で文字を追いながら唱えていきます。

宗派によって異なるお経ですが、原理的には釈迦の教えをまとめた経蔵、道徳的側面を説いた律蔵、両者の注釈的な存在の論蔵の三つからなり、これを三蔵といいます。よく知られた西遊記に登場する玄奘三蔵法師の名はこれに由来しています。